映画を10回以上見るファンに聞く。名探偵コナンの知られざる魅力!

『名探偵コナン』日本人なら知らない方はいないほど有名な国民的アニメです。
今回はその魅力を、日夜コナンのことを考えてしまうというほど名探偵コナンが大好きという方にお話を伺いました。Mobuさんです。

斎藤

まずはコナンがどのくらい好きか教えてください。

Mobuさん

一度ハマるとなかなか抜け出せないタイプで、一日中コナンについて考えてしまいまってます。毎週サンデーで最新話が出てくるので欠かさずチェックして、次どうなるのかなとか考えて、ツイッターで他の人の考察とかを見ながら「ああこういう考え方もあるんだ」って考察を深めていくようなことをやってますね。

斎藤

一日中!すごい笑マンガも全巻そろえていたりするんですか?

Mobuさん

いえ、揃えたいんですが94巻(2018年7月現在)もあるんですよ。一人暮らしで部屋が小さくて置く場所も無いので、今は物語の重要な巻だけ揃えてるって感じですね。いずれは全巻揃えてしっかりと全巻見れるようにしたいなとは思っていますが。

コナンにハマったきっかけ

斎藤

ハマったきっかけってなんですか?

Mobuさん

大学2年生のときですね。私逆にそれまでコナン見たことなかったんですよ。

斎藤

2016年ですよね?それは流石に嘘笑

Mobuさん

ホントなんですよ。怪盗キッドが工藤新一だと思ってたぐらいには知りませんでした。でも2016年に「純黒のナイトメア」っていう映画がやっていて友達に行こうって誘われたんですよ。でも私コナン全然知らないからって言ったら、出てくる登場人物の概要や相関関係を逐一説明されて、それが面白そうだなと思ったので映画に行くことにしました。そこがきっかけですね。

斎藤

なるほど、どんな関係性が魅力的だと思ったんですか?

Mobuさん

安室透と赤井秀一の関係性です。安室が赤井のことを一方的に恨んでいて。その理由とかもあるんですけど。でも映画の中で共闘せざるを得ないシーンがあって、殺したいほど憎んでいると言われる2人が、黒の組織に対抗するために2人とコナンで対抗してくっていう部分が面白そうだなって思いました。顔もかっこいいし笑

斎藤

確かに、おもしろそうですね。かっこよさも大事笑

斎藤

ハマる前ってどんな印象持ってました?

Mobuさん

話の内容が「謎解きなのかな?」「頭悪いしついていけない」って思って、自分には向いてないと思って敬遠してました。

斎藤

いやでも小学生でも見てる作品ですよ笑

Mobuさん

確かに笑 でもサスペンスとか謎解きとか、そういった系の物語がそこまで好きじゃ無かったんですよ。

斎藤

なるほど笑 見てみてどのように気持ちの変化が起こったんですか?

Mobuさん

いざ見てみるとコナンの魅力ってそこじゃなくて、黒の組織との対決とか、人物関係がおもしろったりとかして、面白いなって思いました。コナンと蘭の関係とか、赤井と安室との関係とか。もしただのサスペンスだけの物語だったらたぶんハマらなかったと思いますね。

名探偵コナンの魅力

斎藤

それだけコナンに熱中してしまうその魅力を教えてください。

Mobuさん

三点あります。一つ目は長寿ジャンルであるがゆえいろいろと考察できる点ですね。黒の組織のボスは判明したんですが、その人が何をしているかとかはまだ分かっていませんし、組織の2番目のラムか誰かというところであったりとかまだよく分かっていないことが多いんですよ。それを昔の話から考察して楽しめることが魅力だと思います。判明した時に昔の話の中の伏線が絡んでいたりとかすると、やっぱり面白いなって思います。

斎藤

考察はやはり物語を把握していない初心者では難しいですかね。

Mobuさん

いえ、ビックコミックの組織編を買えば重要な話がまとめられていますし、ネットの考察とかを見ればこの間に伏線が述べられているというのが示されていたりするのでその巻だけ読んで、というような楽しみ方もできると思います。

Mobuさん

二点目は運営がいろいろと企画を出してくれる点だと思います。今回の映画でも安室透が佐々木希ばりに雑誌に出ていたりとかするんですよ。サンデーだけじゃなくアニメ雑誌とかゼクシィとかにですよ。他にも応援上映や、コラボカフェ、謎解きイベントだったりと、企画が多いんですよ。グッズも豊富です。安室透のLINEのbotがあったりとか。運営のファンのためになるべく色々と企画していこうって思いが感じられます。イベントの規模も大きいですしね。

斎藤

応援上映ってなんですか?

Mobuさん

映画を見る時に映画館にサイリウムを持ち込んで、みんなで自由に声を出して鑑賞できるんですよ。結構参加しているんですが、みんなで盛り上がれるので楽しいんですよ。もう何回も見ているとキャラのセリフが分かるので、それを真似したりとか、キャラが襲われる時に「危ないよ」って声をかけたりとかできるっていうのが面白いと思います。あと最後にはエンディングを一緒に歌ったりとか。

斎藤

それすごい楽しそうですね。三点目は何ですか?

Mobuさん

今からでも遅くないってのが魅力だと思います。私自身2016年まで全く知らない状態で映画を見にいっても楽しいなって思えましたし。まず断片的に読んでもストーリーが理解しやすいです。そういう点はさすが国民的アニメって思います。あと後からでも流れを追うことができる仕組みもあるんです。コンビニに売っているビッグコミックが便利で、FBIが出てくる話を集めたりとか、黒の組織が出てくる話だけあつめたものが販売されているんですよ。だから流れを追いやすいです。

好きなキャラ

斎藤

好きなキャラに関して教えてください。

Mobuさん

赤井秀一です。FBIに所属していて黒の組織を追いかけるために日本に来ているんです。クールな感じでかっこいいキャラです。なんでもできて完璧で。それでいて重要な役割を担っている。

Mobuさん

常にクールで何を考えてるかわからないようなキャラクターなんですけども、昔好きだった女性のことを考えている時に寂しげな表情したりとか。その人が実は亡くなってしまった灰原のお姉さんなので、陰から灰原を守ろうとしていたり。弟と妹に対してクールな感じで接しているのに実は優しいとか。そういったところが魅力的に思いますね。

Mobuさん

あと安室透も好きです。映画の影響でかなり人気が増してきていると思います。実は喫茶店のアルバイト店員、黒の組織の人間、警視庁の捜査官っていう3つの顔を持っていて、この三つの姿のギャップが本当に素晴らしい。アルバイト店員のときは好青年なんですが、黒の組織の人間になると銃を持って不敵な笑みを浮かべたりとか。でも本当は捜査官として日本のために自分の命をかけて頑張っている、そのギャップがすごく魅力的ですね(2回目)。

Mobuさん

あとすごく優秀なので、年上の部下とかを従えている姿がかっこよかったりします。今回の映画ではその捜査官の姿が押し出されているんですよ。それを見ると今日も日本の平和は彼に守られているんだって思えますね笑 また普段は冷静な安室透が赤井秀一を前にすると本能剥き出しにして立ち向かっていく姿がまたギャップがあって可愛いなって思ったりしますね。

名探偵コナンにハマって良かったこと・悪かったこと

斎藤

コナン好きで得したことってありますか?

Mobuさん

コナンを通して同じ感情を共感できる友達ができたところですね。住んでいる場所も職業も違う人が、同じコナンと言うジャンルを通して繋がるというのがいいと思います。2016年の『純黒のナイトメア』で新規ファンが爆発的に増えたんですよ。そこで同じように新しく好きになった人とかとTwitterでつながって。コラボイベントとか、謎解きゲームとか、そこでできた友達と行っています。交友関係が広がって、いろんな人と楽しくできるというのがいい点だと思います。

Mobuさん

毎週連載がされているので、毎週楽しいと言うメリットあると思います。多少嫌なことがあっても、明日はサンデーだ、明日はアニメだ、と思えると少し前向きになることができます。コナンがあるから頑張ろうとか。熱中できる趣味があるいいところってそういうところだと思うんですよね。仕事とかで落ち込んだ時に、現実から少し離れ心を癒すものなんじゃないかなって。

斎藤

確かに心の支えがあるって良いですね。逆にコナンを好きになったことによるデメリットって何かありますか?

Mobuさん

常に金がないことですね。これはおたくの宿命だと思います。基本的に稼いだお金は全て費やしているので。映画毎年公開されるし、イベントもめちゃくちゃたくさんあるし、雑誌の表紙とかもいっぱいあるし、グッズもめちゃくちゃ出るから、本当に金がない笑

Mobuさん

あと時間もないです。サンデーのWeb版って水曜日の0時に更新されるんですよ。それを読んで、そこからずっと考えてしまうと、朝の4時とかになってるんですよ笑

斎藤

4時間!? 1話って10ページ程度ですよね?

Mobuさん

Twitterとか見てこの人の考察すごい面白いとか。「あーやばいやばい」とか言ったりとか、友達と感想を言い合ったりとかしていると、そのくらい経ってしまってます笑 寝坊して大学の授業に遅刻したりなんてことも幾度となくあります笑

斎藤

考察っていうのは、黒の組織の正体についてっていうことですか?

Mobuさん

もちろんそれもあるんですが、もしかしたらこのキャラクターこういう過去があるかもしれないとか、このキャラクターのお父さんは実はこういう職業なのかもしれないとか、そういう些細なことなんですけど、色々考察とかしたりしています。頭のいい考察をしている人のTwitterアカウントがあるのでフォローして、毎週サンデーを読み終わった後にその人のツイートとかを見て自分の考察と突き合わせでみてもう1回考えてみたりとかしてますね。一種の妄想かもしれません笑 でもそうやって色々考えるところが楽しいですね。

名探偵コナンの独自の楽しみ方

斎藤

独自の楽しみ方ってありますか?

Mobuさん

元々ファンじゃない友達をはめたりとかしてます笑 それで一緒に映画見たりとかイベント行ったりして。

斎藤

どうやって友達をはめるんですか?

Mobuさん

まず、コナン楽しい楽しいって言いまくって興味を持たせるんですよ笑 「え、どんな話?」って興味を思ったら、「(しめしめ)じゃあ一緒に今やってる映画を見ようよ」って言って誘って。お金ないんだったら私出すから見に行こうよって。

斎藤

え、友達の分のお金を払っても見せたいんですか?

Mobuさん

そうなんです。そもそも公式にお金を費やしたいっていう思いがあるので。友達にも見て魅力を知ってもらって、それで運営にお金が回るなら、友達の分も払ってもいいかなって思ってしまうんです。

斎藤

お金を費やしたいんですか!? それって他のファンもそういう風に思っているんですか?

Mobuさん

そういう人も少なくはないと思いますね。グッズを買う理由も、欲しいっていう理由はもちろんですが、そこでお金を出すことによってそのジャンルが盛り上がるように出しているっていう部分もありますね。だからなるべくイベントがあると必ず参加して少しでも盛り上げようとします。

Mobuさん

運営にお金が回ることでもっと豪華なことができるようになるんです。いろんなイベントとコラボすることができるようになりますし、経済の循環にもなっていいかなと思っています。運営の「応援」をしたいという感じですね。例えばLINEのbotとかも開発に800万円かかるらしいので、そういったのも私たちがお金を出しているからできるのかなと思います。だから気持ちよくお金使えますね。そしてお金が貯まらない笑

斎藤

すごい信念ですね。でもそういう人がいるからこそ20年以上続いているんでしょうね。

Mobuさん

作者の青山剛昌さんもすごくファンを大切にしてくださる方で、新規の書き下ろしとかも忙しい中結構コンスタントに出してくださったりとか、ファンから来た年賀状の質問とかに返してくれたりとか。そういうのを見ているとすごく大事にされてるな、すごくいいジャンルに巡り会えたなと感じますね。運営が手厚いところがいいと思うし、だからこそお金で貢献したいと思ってしまいますね。

斎藤

初心者が入るとしたらどこからでしょうか。

Mobuさん

まずは今公開されている映画から入るのがとつきやすいかもしれませんね。特に今作の映画(2018年)は安室透がメインなので、女の子だとキュンキュンしちゃうかもしれません笑 今人気の安室透がどのような人かっていうのも分かるので、ストーリーが把握しやすくなるかなと思います。

最後に「名探偵コナン」とは

斎藤

最後にあなたにとってコナンとは?

Mobuさん

なくてはならないものですね。毎週見ているし。就活で落ち込んだ時とかも、映画を見に行って「安室君頑張ってる、私も頑張ろう」みたいに気持ちを切り替えて頑張れたっていうのはあります。映画見ているときはそういったストレスをすべて忘れて集中できるので。そういった意味でも趣味っていうのは自分の中の心の支えになっていくんだなって思いました。

(取材日:2018年7月19日)